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「ちょいと一言」
ベテランの味
前回に続き自画像。
先ず大胆な構成が目を引く。
前方に手を配し、顔はやや後ろに控えめに位置するのだが、どうしてどうして
構成とは裏腹に、作者が今まで見せなかった前向きで、アグレッシブな表情を
私なら読み取ることが出来る。
「不退転」
後にも先にも今年が最後、この一年に賭ける並々ならぬ作者の意気込みに、
一瞬蹴落とされそうだ。
この自画像を見て、ピカソの「青の世界」を連想される方もいらっしゃるのでは
あるまいか。
ピカソの「青の世界」の多くがやや沈鬱な、絶望に打ちひしがれた人物像なの
に対して、作者の絵は希望に満ちあふれている。
空間の処理も上手くいった。
強いて難点をあげるなら、画面向かって左手の肩の表現、処理がいまいち。
ブルー系でまとめ上げた力量もさることながら、ワンストロークも疎かにしない
その筆遣いが観る者の心を打つ。
「そう、絵って愛情を持って丁寧に描写するものなんだよね〜」ってことを改め
て認識させられもする。
薫風のなか、ピーンと張りつめた一本の青い糸、緊張感溢れる佳品となった。
Tさん、今年はなんだか良い一年になりそうだな。
2008/05/03
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